立憲民主党

中野区議会議員 杉山 司(すぎやま つかさ)公式ウェブサイト

【ご報告】平成30年三定で一般質問

2018.09.18

9月13日、平成30年第三回定例会で一般質問を行いました。一般質問内容は以下となります(全文)。

 

1 喫煙対策について

2 中野二丁目および三丁目のまちづくりについて

3 庁内情報システムの整備について

4 経済団体との連携および区立商工会館について

5 その他

 

平成30年第3回定例会に当たり、立憲民主議員団の立場から一般質問を行います。質問は通告のとおりです。これまでの質問と重なる部分もございますが、私たち会派の立場から質問をさせていただきます。また、先の補欠選挙で当選を賜って以来、初めての一般質問となります。お聞き苦しい点が多々あるかとは存じますが、なにとぞご容赦賜りますよう、よろしくお願いいたします。

 

私が区議会議員を目指したきっかけは、JR東中野駅西口線路沿い桜並木の強制伐採でございました。地域の人たちだけでなく、鉄道ファンなどの観光客にも人気で、地元民自慢の桜並木だったのですが、おととしに1本、今年2月に16本、老木診断された桜が、近隣住民との対話もないまま、いわば強制的に伐採されてしまい、中野区から「切ります」「切りました」というような一方的なやり方に大きな疑問を感じました。老木を切ることそのものを否定するのではなく、住民の意見や希望を聞かないで対話もなく伐採を進めた、というプロセスがおかしいと思ったからです。

 

今年6月10日の補欠選挙の結果、区民の方々から多くの期待と不満の票を賜り、区議会議員として歩み始めたわけですが、どの事業においても中野区と区民との話し合いが希薄であると感じていた矢先、区役所とJTが検討を進めてきた東中野駅西口ロータリーへの喫煙所設置案。区民との話し合いも長く行われてきたとのことですが、ここへきて結局設置場所だけが議論されていることに憤りを感じ、先日、「中野区の喫煙所設置の方針や受動喫煙防止に対する方針について」の緊急要望書を立憲民主議員団として区長に提出しました。先日の建設委員会からの報告で、9月に予定されていた喫煙所の設置が無期限で見直されることになったのは、住民や私たちの声が区長にも届いたのだと思い、大変喜ばしいことだと感じていますが、一旦保留となっただけなのではないかと不安を覚えます。

 

1.そこで、まず初めに中野区の喫煙対策について伺います。

 

中野区は2005年4月に「中野区吸い殻、空き缶等の散乱及び歩行喫煙の防止等に関する条例」を施行し、罰則規定や路上へのメッセージプリント、看板はあまりなく周知徹底はされていなものの一応「歩きたばこ」も全区内で禁止、そして条例に基づき同年7月31日から中野駅周辺を路上喫煙禁止地区に指定しました。その後2012年11月、もともと灰皿的なものがあった場所を含め、中野駅北口の東西連絡通路下、中野駅北口中央自転車駐車場付近、中野サンプラザ横の横断歩道脇の3カ所に喫煙所が整備されました。

 

東西連絡通路下や中野サンプラザ脇の喫煙所近くには多くの歩行者や滞留者がおり、喫煙所から漏れあふれる煙や、においを避けるためにわざわざ迂回して喫煙所の前を通らないようにしている方も多くいると感じます。また、子どもを含む歩行者への受動喫煙による健康への悪影響も懸念されます。先般制定された東京都の受動喫煙防止条例。この条例の目的は「屋内での受動喫煙による健康影響を未然に防止し、誰もが快適に過ごせる街を実現すること」とあります。子どもや働く人を受動喫煙から守ることがポイントで、幼稚園や保育園から高校までは敷地内禁煙、大学や医療機関などでは敷地内に喫煙場所が設置可能ですが基本的には敷地内禁煙、その他施設も原則屋内禁煙となりますが、道路や公園など、屋外は対象外になっています。都条例を加味した上で、公共エリアに対しても中野区として、受動喫煙防止条例や、区としての方針も必要だと思いますが、いかがでしょうか、伺います。

 

また、現在中野駅周辺だけが路上喫煙禁止区域に指定されていますが、これから子育て先進区を目指す中野区としては、子どもに対しての影響も大きいことから、徐々に路上喫煙禁止区域を増やし、近い将来全区が対象となるべきだと考えますが、いかがでしょうか、伺います。

 

中野駅周辺の喫煙所は、多くの歩行者が通過もしくは滞留する場所への設置に至りました。私としては、今後、駅周辺や公園などを含む公共施設に喫煙所を設置することは本意ではないと考えますが、受動喫煙防止のためにも、喫煙所の設置基準は早めに設けておくべきだと考えます。大前提として受動喫煙防止の考え方があり、子どもたちを含む多くの歩行者に健康被害を与えない場所や、煙が漏れにくい喫煙所の形状など、区としての喫煙所設置の基準を定め、喫煙所設置の要望があった際には、その基準を満たすことができることを前提に路上喫煙禁止区域の指定とともに設置を検討していく、このようなプロセスをとるべきだと考えますが、いかがでしょうか、伺います。

 

中野駅北口やサンプラザのこと、平和の森公園のことなど、これまで公式・非公式にかかわらず区民との対話集会を開いてきた酒井区長。平和の森公園の二期工事の件では5つの案が提示され、多くの区民からのご意見を聞くという手法をとられております。区長は、区民との対話というステップを踏むことをつねづねとっても大事であると話されておりますが、この路上喫煙禁止区域の考え方について、これから区民の考えをどのように反映していくのか御見解をお聞きし、この項の質問を終わります。

 

2.次に、中野二丁目および三丁目のまちづくりについて伺います。

 

中野駅北口の区役所・サンプラザ地区再開発に大きくスポットが当たっていますが、中野駅西口の改札や南北連絡通路、中野二丁目や三丁目の開発も進んでいます。

 

中野駅南口地区まちづくりとは主に、中野二丁目の公社中野駅前住宅の再編、駅前ロータリー東側のノイビル周辺の市街地再開発、そして中野駅南口ロータリーを含めた駅前広場の整備、の3つの事業を指しますことは周知の事実でございます。2019年には公社住宅が完成予定、市街地再開発は2022年に工事完了予定、駅前広場整備は2024年に完了予定となっています。

 

この事業が完了した場合、中野駅南口の昼間人口は3500人~4000人程度増えると伺っておりますが、南口地区まちづくり方針には中野駅南口改札の整備などは今のところ含まれておらず、歩行者ネットワークの導線も、中野駅南西側にある横断歩道と南口改札前の1本のラインしかない設計となっています。

 

グランドデザインVer3では中野駅周辺の回遊性を高めるため、中野二丁目と四丁目がつながるように、中野駅の東側に南北につながる歩行者ネットワークの構想がございました。中野駅は西口改札の設置が最優先課題となりますので東側の南北歩行者ネットワークには手が回らないにしても、西口改札の工事時期などが南口再開発完了後になった場合、中野駅自体の処理能力が100パーセント発揮できないことも考えられますし、昼間人口増加も加味しなければならないので、南口改札の拡張や改善策などが必要だと思うのですが、いかがでしょうか、伺います。

 

2024年に完成予定の中野駅南口ロータリーを含む駅前広場整備事業。すでに商業施設などができ、建物などが更新されたあとに完成するというタイムスケジュールとなっています。駅前ロータリーの西側には人が滞留できるエリアができる予定ですが、改札外側と車道の幅は現状と変わらず、歩行者の往来がスムーズに行えない可能性もある上に、自転車がこの場所を走行することはそもそも禁止されているとはいえ、実際には道路交通法を熟知していなければ普通に自転車は走行できてしまう設計となっています。現在の南口改札前も、本来は道路交通法で自転車の走行が禁止されているのにも関わらず自転車が走行し、歩行者とぶつかるのを何度も目撃していて危ないと感じておりますが、駅前広場整備事業に南口改札前の自転車走行の危険度には触れられておりません。設計では自転車ネットワークという概念で、歩道と自転車が走行する流れは加味されているものの、結局法律が周知されていないと、自転車運転者は南口改札前に自転車を走らせるでしょう。自転車を進入禁止とすることは警察署との話し合いになるので時間がかかると思うのですが、南口改札前の歩道で、人と自転車の接触事故を防ぐためには、何かしら手を打たないとならないと考えます。バスやタクシーのことなども考慮しつつ、とはなりますが、例えば、南口駅前に計画されている歩道の外側に、ブルーの自転車専用レーンをつくるなど、対策を講じるべきだと思いますが、いかがでしょうか、伺います。

 

利用者の安全確保につきましてもうひとつ。中野駅の南北駅前は、ほぼ線路の高さのところから掘られてできた窪地です。桃丘、レンガ坂、千光前通りなどの坂に囲まれていることからもわかるように、すり鉢型のエリアとなっています。先日西日本に大きな被害をもたらした豪雨、中野にも大雨をもたらしましたが、この中野駅周辺、特に南口から五差路交差点あたりまでは、ハザードマップを見ても、集中豪雨などでとても水がたまりやすい地形です。実際に先日の豪雨の際には中野通りの線路ガード下が池のようになっていました。整備された中野駅南口には新たな賑わいが生まれ、より多くの人が集まりますので、さらなる安全安心なまちづくりを進めなければなりませんが、現在の駅前広場の整備の項目に、集中豪雨などが発生した場合のロータリー下の下水等の構造設計の記載は無く、多くの雨水が流れ込んできた場合にしっかりた処理能力が発揮できるようになっているのか不安に感じます。もし加味されているのであれば、どのような仕組みが盛り込まれているのか、伺います。

 

三丁目地区の再整備についての質問です。中野区が2015年に桃丘小学校跡地付近をUR都市機構に売却し、タイケン学園問題も収束され、現在URによる土地区画整理事業が進んでいる中野三丁目エリアのまちづくり。中野駅西口地区まちづくりと位置付けられているとおり、中野駅西口改札と関連した橋上の南北連絡通路の南側エリアとなりますが、そのエリアの中で旧桃丘小学校跡地の拠点施設に関しまして、URとの「中野三丁目地区の整備に関する事業実施協定」の桃丘小学校跡地活用事業の概要等項目第6条三(2)に記載されている「利便性の向上及びにぎわい創出のための拠点施設整備」。UR側が土地を売却する前にこの条文を生かし、地域に開かれた公共性の高い拠点施設にするべく、そろそろ中野区側がURに働きかけを行わないとならない時期にきていると感じています。にぎわいを創出するただの商業施設ではなく、子どもやお年寄りが安心して利用できる施設、緊急時や災害時の対策拠点となりうるような施設など、様々な方向性を模索しながら拠点施設の方向性を決めていかなければなりません。現在住民の方々との話し合いなどにより拠点施設の骨子を模索している段階だと思いますが、この拠点施設のコンセプトや機能などをこれからどのようなスケジュールで、いつまでに決めるのか、手法なども含めてお聞きして、この項の質問を終わります。

 

3.次に、庁内の情報システム全般の整備について伺います。

 

中野区の情報システムは、基幹系システム、業務系システム、サービス系システム、情報発信系システムなど多岐にわたり、それぞれのシステムが自前だったりSaaS的なクラウドサービスだったり、情報の持ち方も様々です。

 

現在、庁内基幹システムの大規模リプレースのための開発が進んでいて、行程としては基本設計が行われていると伺いました。2020年1月には本稼働を迎えるこの新システムは、官庁系システム開発に多くの実績がある株式会社RKKコンピューターサービスのパッケージ「総合行政システム」を利用し、中野区用にカスタマイズする形で進んでいることと思います。住民基本台帳に紐づいた基本情報などのほか、税の情報や国保などのデータがリンクでき、災害時個別避難支援計画書や名簿、カンガループランや母子家庭情報、こんにちは赤ちゃん学級などの情報なども含め、これからの区民サービスや業務効率の向上にとても役立つ基幹システムにして頂きたいと願っております。

 

何年もかけて開発されるシステムと10年間を想定した保守という今回の新基幹系システム開発。開発のイニシャルコストは10億円弱、イニシャルコストを含め、稼働後10年間の保守費用を含めると、37億円程度の規模となります。過去の大規模システム開発の際の議会報告は、このような効果が期待できるシステムがいくらかかり、いつごろに完成し、運用開始となりますというような内容で予算審議でお話される機会が1回、システムが完成し、予算執行されたときに報告される機会が1回、という感じで、報告は最初と最後に行われます。システム開発、特に大規模なものであればなおさら、途中途中の報告が大事であると感じています。工程ごとに、要件定義完了後、基本設計完了後など、そしてテストフェーズの場合には現在の不具合件数と対応件数や残りの不具合件数などを、議会にしっかり報告されるべきだとおもうのですが、いかがでしょうか、伺います。

 

稼働後、延べ10年間使い続けることを見込んでいるこの基幹系システム。IT業界の技術革新のスピードはとても速いことは周知の事実で、一般企業では10年間という契約期間はなかなかございませんが、官庁系システムでは一般的とも聞いています。しかしながら、システムの陳腐化も可能性としてはゼロではございませんし、また万が一ではございますが、何らかの理由でデータベースメーカーのサポートが無くなる、OSが提供されなくなるなど、現在開発しているシステムへの外的要因によるマイナスの影響が大きく働いた場合など、このシステムを生かして、そのまま使い続けることを前提として、どのような対策案、または代替え案などのお考えをお持ちでしょうか、伺います。

 

更には、この基幹システムが2020年に完成し、稼働フェーズとなっている真っ只中、タイミング的には中野区役所の移転も行われる予定となっております。新システムは庁内にメインのサーバーが設置されているとのことでしたが、区役所移転時にも区民へのサービスや庁内の情報業務システムが止まらないような対策は考慮されていますでしょうか、その際の費用は今の段階で検討されているのかどうかも含めてお聞きして、この項の質問を終わります。

 

4.経済団体との連携および区立商工会館について伺います。

 

東京商工会議所中野支部や中野工業産業協会、中野区商店街連合会をはじめ、ほかにも中野区しんきん協議会や中野区観光協会、中野区産業振興推進機構や中野コンテンツネットワーク協会などの団体も中野区内の経済団体として存在しています。以前の田中区長体制時でも産業界との定例懇談会や産業振興担当部署の設置などで、一定の連携を図っているように見えておりました。ただし、区内産業の現状は、多くの中小企業は取引先が減少し、採用難、事業承継難など、経営環境は決してよくないと伺っております。酒井区長となり、これからどのような距離感で区内の産業界と連携していくのか、もしお考えがあればお聞かせいただきたいです。

 

ここ数年、中野区は区内の重点産業を「ICT・コンテンツ」および「ライフサポート」と位置付けています。公的融資制度でもこのジャンルの中小企業だけが優遇され、賞金付きのビジネスコンテストも、このジャンルに限り、年1回開催されています。中野区には小さな劇団やお笑いプロダクション、個人経営飲食店や古物商、零細部品メーカーなど、中野区の産業を支えている中小企業のジャンルはいろいろあると思いますが、なぜこのジャンルが重点産業となったのか、過去にもご説明はあったかと存じますが、今一度伺います。

 

2016年5月に策定された「新しい中野をつくる10か年計画(第3次)」に「(中野区立商工会館を)現在の賃貸契約終了後、売却」との記述が盛り込まれました。区内産業団体である東商中野、工産会、区商連の3団体が現在、区立商工会館を拠点としておりますが、この3団体は2019年の2月から3月ごろに中野二丁目にある中野区産業振興センターへの引っ越しが中野区側から通達されております。現在の商工会館は施設台帳上、1965年に出来上がった施設で建物は老朽化が著しいものの、立地は中野区役所にも中野駅北口の繁華街にも近く、長年区内産業の活発な活動が続けられてきた場所となっています。テナントビルなど商工会館に代わる新たな建物は民間の力を借りて建て直し、整備後に一旦退避している産振センターから再び入居する形で北側の産業の拠点とすることが望ましいと考えます。2定の質問にもございましたが、定期借地権などの活用も踏まえて売却は見直すべきだと考えますが、いかがでしょうか、再度伺います。

 

グローバルではなくシビックプライド、区民の、中野区への愛着度がより高められるような方針が出されたことは、とても素晴らしいことであると感じていますし、区民目線を大事にする酒井区長となり、これからの中野区政に対して、多くの区民の希望や期待が見いだされることでしょう。先日、元西東京市のみどり公園課長で多くの実績を残した高井さんに公園づくりについてご教授頂きました。その時に強く感銘をうけたお言葉「選択に迷ったときは区民目線で考える」ということを肝に銘じつつ、すべての質問を終わります。

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